わが国では、病気やケガ・死亡や失業といった「ヒト」の損害については、遺族年金や公的医療保険、失業保険など、国の制度から何らかの給付を受けられるようになっています。一方、災害による「モノ」の損害に対しては、「ヒト」の損害と異なり、国や自治体からの補償はほとんどありません。
近年では風水害や地震被害などの自然災害が相次いでいますが、自然災害で私たちの家や財産が失われても、原則として国や自治体からの支援は限定的です。
たとえば、住宅が全壊・大規模半壊した世帯向けの「被災者生活再建支援制度」では、住宅全壊世帯に給付される支援金は最大300万円。住宅全壊後の生活再建に充分な金額ではありません。
つまり、多くの人にとってめったにあることではないにせよ、一旦被災し、家計に数千万円レベルの大きなダメージを被ることになっても、生活は自力再建が基本―。これが私たちの抱えている現実なのです。
また、火災による被害にも自分で備えておくことが必要です。隣家がうっかり火事を出してしまい、新築したばかりのわが家が全焼してしまったら・・・。失火元である隣家に、わが家を建て直す責任があると心情的には思うでしょう。ところが、こうした場合でも「火元に賠償請求できない」ということが、民法の特別法である「失火の責任に関する法律」によって定められているのです。
つまり、自分に落ち度がまったくなく、一方的に相手に原因がある場合でも、マイホームを建て直してもらうことはできないのです。
こうした点を踏まえると、誰にでも、マイホームを守るための保障(補償)が必要、と言うことになりますね。
地震や風水害などの自然災害や、隣家からの延焼被害でマイホームを失っても、わが国では自力で生活再建を図るのが前提になっています。国や自治体による支援は限定的ですから、わが家をしっかりと守ることのできる保障(補償)が誰にでも必要なのです。